Msファイルの仕様

提供: ComplexRI: Manual
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ms ファイルの入力例

version<0.3

=== water.ms ===================================================================================
&system
 version = 0.1
 n = 3
/
# version: 読み取り形式のバージョン
# n: 全サイト数
# cf. J. W. Caldwell and P. A. Kollman, J. Phys. Chem. 1995, 99, 6208
#water=POL3

SITE_DATA   # サイトデータ開始点
# 通し番号 サイト名 グループ番号 質量 電荷 分極率 LJ_sigma LJ_eps 座標xyz 速度xyz 力xyz 隣接サイト数 隣接サイト番号
1 HW 1  1.0  0.365 0.170 0.0   0.0    9.625597 6.787278 12.673000 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 2 2 3
2 HW 1  1.0  0.365 0.170 0.0   0.0    9.625597 8.420323 12.673000 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 2 1 3
3 OW 1 16.0 -0.730 0.528 3.204 0.156 10.203012 7.603800 12.673000 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 2 1 2

BOND_DATA  # 結合データ開始点
# サイト1の名前 サイト2の名前 平衡距離 結合定数(0のときconstraint)
HW HW 1.63328311  0
HW OW 1.0 0
================================================================================================
  • SITE_DATA に隣接リストがある
  • BOND_DATA のみ記述することができる。内部座標の計算には対応していないため、距離拘束による剛体回転子しか扱えない。
  • ANGLE_DATA も記述することができるが、内部座標の計算には対応していないため、使用しないこと。

version>=0.3

=== DCE.ms ===================================================================================
&system
version = 0.3
n = 8
/
# version: 読み取り形式のバージョン(必須)
# n: 全サイト数(必須)
# I. Benjamin, A. Pohorille, J. Chem. Phys. 98, 236 (1993)
# calculate_1_4 = 2

SITE_DATA   # サイトデータ開始点
# 通し番号 サイト名 グループ番号 質量 電荷 分極率 LJ_sigma LJ_epsilon 座標 速度 力
1 C1  1 12.0  0.227  0.0  3.980  0.114    0.460076    0.596889    0.000000   0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0
2 Cl1 1 35.5 -0.227  0.0  3.160  0.500    2.233347   -0.066896   -0.000002   0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0
3 H1  1 1.0   0.0    0.0  2.744  0.010    0.374555    1.190926   -0.889563   0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0
4 H2  1 1.0   0.0    0.0  2.744  0.010    0.374555    1.190925    0.889564   0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0
5 C2  1 12.0  0.227  0.0  3.980  0.114   -0.460076   -0.596889    0.000000   0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0
6 Cl2 1 35.5 -0.227  0.0  3.160  0.500   -2.233347    0.066896    0.000002   0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0
7 H3  1 1.0   0.0    0.0  2.744  0.010   -0.374555   -1.190925    0.889564   0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0
8 H4  1 1.0   0.0    0.0  2.744  0.010   -0.374555   -1.190926   -0.889563   0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0

BOND_DATA  # 結合データ開始点
# サイト1の番号 サイト2の番号 keyword パラメータのセット
1 5 HARMONIC 620.0 1.526
1 2 HARMONIC 464.0 1.787
1 3 HARMONIC 620.0 1.090
1 4 HARMONIC 620.0 1.090
5 6 HARMONIC 464.0 1.787
5 7 HARMONIC 620.0 1.090
5 8 HARMONIC 620.0 1.090
BOND_DATA_END  # 結合データ終了点

ANGLE_DATA  # 結合角データ開始点
# サイト1の番号 サイト2の番号 サイト3の番号 keyword パラメータのセット
2 1 5 HARMONIC 88.0 108.2
3 1 5 HARMONIC 70.0 109.5
4 1 5 HARMONIC 70.0 109.5
6 5 1 HARMONIC 88.0 108.2
7 5 1 HARMONIC 70.0 109.5
8 5 1 HARMONIC 70.0 109.5
2 1 3 HARMONIC 82.0 106.9
2 1 4 HARMONIC 82.0 106.9
6 5 7 HARMONIC 82.0 106.9
6 5 8 HARMONIC 82.0 106.9
ANGLE_DATA_END  # 結合角データ終了点

DIHEDRAL_DATA  # 二面角データ開始点
# サイト1の番号 サイト2の番号 サイト3の番号 サイト4の番号 keyword パラメータのセット
2 1 5 6 COS_SERIES3 -0.24 0.0  0.1  0.0  0.54   0.0
2 1 5 7 COS_SERIES3  0.0  0.0  0.0  0.0  0.406  0.0
2 1 5 8 COS_SERIES3  0.0  0.0  0.0  0.0  0.406  0.0
3 1 5 6 COS_SERIES3  0.0  0.0  0.0  0.0  0.406  0.0
3 1 5 7 COS_SERIES3  0.0  0.0  0.0  0.0  0.288  0.0
3 1 5 8 COS_SERIES3  0.0  0.0  0.0  0.0  0.288  0.0
4 1 5 6 COS_SERIES3  0.0  0.0  0.0  0.0  0.406  0.0
4 1 5 7 COS_SERIES3  0.0  0.0  0.0  0.0  0.288  0.0
4 1 5 8 COS_SERIES3  0.0  0.0  0.0  0.0  0.288  0.0
DIHEDRAL_DATA_END  # 二面角データ終了点

OUTOFPLANE_DATA  # 面外角データ開始点
# サイト1の番号 サイト2の番号 サイト3の番号 サイト4の番号 keyword パラメータのセット
OUTOFPLANE_DATA_END  # 面外角データ終了点

PAIRTYPE_DATA  # ユーザ定義のpairtypeデータ開始点
# サイト1の番号 サイト2の番号 pairtypeパラメータ
3 4 10
7 8 10
PAIRTYPE_DATA_END  # ユーザ定義のpairtypeデータ終了点
================================================================================================
  • SITE_DATA に隣接リストがない
  • 内部座標を扱うことができ、 BOND_DATA, ANGLE_DATA, DIHEDRAL_DATA, OUTOFPLANE_DATA の4つを記述できる。

msファイルのデータの詳細

version<0.3

SITE_DATA

通し番号 サイト名 グループ番号 質量 電荷 分極率 LJ_sigma LJ_eps 座標xyz 速度xyz 力xyz 隣接サイト数 隣接サイト番号
・通し番号: 設定したサイトの数だけ設定される
・サイト名: サイトに設定する原子名
・グループ番号: 同じ分子を1つのグループとして与えられる番号。複数の分子を区別するために用いる。
・質量(amu), 電荷(e), 分極率(Å3), LJ_sigma(Å), LJ_eps(kcal/mol): サイトに設定される相互作用に関するパラメータ
・座標xyz(Å), 速度xyz(m/s), 力xyz(N): 各サイトの時間発展などに必要なパラメータ。 座標xyzの重心は任意に指定できる。
・隣接サイト数 隣接サイト番号: サイトと隣り合ってるサイトの数と通し番号。分子内の結合の拘束を指定するのに必要。
  • 隣接リストがあり、これを用いてサイト番号のペアの結合状態(pairtype)を作成する。

BOND_DATA

サイト1の名前 サイト2の名前 平衡距離 結合定数(0のときconstraint)
・サイト1の名前,サイト2の名前: SITE_DATA で記述したサイト名
・平衡距離: 剛体回転子での結合距離
・結合定数: 調和ポテンシャルの結合定数に相当。version<0.3 では剛体回転子の計算しかできないため、「0」と入力すること
  • サイト名を指定することで、該当するすべてのサイトに対して結合情報を認識する。

version>=0.3

SITE_DATA

通し番号 サイト名 グループ番号 質量 電荷 分極率 LJ_sigma LJ_eps 座標xyz 速度xyz 力xyz
・通し番号: 設定したサイトの数だけ設定される
・サイト名: サイトに設定する原子名
・グループ番号: 同じ分子を1つのグループとして与えられる番号。複数の分子を区別するために用いる。
・質量(amu), 電荷(e), 分極率(Å3), LJ_sigma(Å), LJ_eps(kcal/mol): サイトに設定される相互作用に関するパラメータ
・座標xyz(Å), 速度xyz(m/s), 力xyz(N): 各サイトの時間発展などに必要なパラメータ。
  • 旧バージョンの隣接リストが廃止された。分子内座標のデータを BOND_DATA 以下で全て入力する必要がある。

BOND_DATA

サイト1の番号 サイト2の番号 ポテンシャルの種類(keyword) パラメータのセット
・サイト1の番号,サイト2の番号: SITE_DATA で記述した通し番号
・ポテンシャルの種類 = (TAYLOR)、HARMONIC、(MORSE)、CONSTRAINT
・パラメータのセット = (TAYLOR: 平衡結合長、バネ定数)
                HARMONIC: バネ定数(kcal/mol/ang**2) c、平衡結合長(ang) R eq
                (MORSE: 平衡結合長、解離エネルギー、領域パラメータ)
                CONSTRAINT: 平衡結合長
[注意]  TAYLORとMORSEは、まだサポートされていない。
  • サイト番号の順番は 1-2 or 2-1 を同じ情報として扱う。どちらか一方を指定すればよい。
  • BOND_DATA のサイト番号を用いて、1-2と2-1のペアの結合状態 (pairtype) を作成する。

ポテンシャル

HARMONIC:

 

 

 

 

(1)

TAYLOR:

 

 

 

 

(2)

MORSE:

 

 

 

 

(3)

  • [注意] HARMONIC では、 BIASMK4 による同名のバイアスポテンシャルを用いて実装されている。したがって、HARMONICを用いる際には、FreeFlexの入力ファイル中のネームリスト &biasmk4 で、calculate_biasmk4 = .true. を指定しておく必要がある。
  • Taylor 展開 (2) の次数を指定する引数も必要

ANGLE_DATA

サイト1の番号 サイト2の番号 サイト3の番号 ポテンシャルの種類(keyword) パラメータのセット
・サイト1の番号,サイト2の番号,サイト3の番号: SITE_DATA で記述した通し番号
・ポテンシャルの種類 = (TAYLOR)、HARMONIC、CONSTRAINT
・パラメータのセット = (TAYLOR: 平衡結合角、バネ定数)
                HARMONIC: バネ定数 c、平衡結合角 θeq
                CONSTRAINT: 平衡結合角
[注意]  TAYLORは、まだサポートされていない。
  • サイト番号の順番は 1-2-3 or 3-2-1 を同じ情報として扱う。どちらか一方を指定すればよい。
  • ANGLE_DATA のサイト番号を用いて、1-3と3-1のペアの結合状態 (pairtype) を作成する。

ポテンシャル

HARMONIC:

 

 

 

 

(4)

TAYLOR:

 

 

 

 

(5)

  • [注意] HARMONIC では、 BIASMK4 による同名のバイアスポテンシャルを用いて実装されている。したがって、HARMONICを用いる際には、FreeFlexの入力ファイル中のネームリスト &biasmk4 で、calculate_biasmk4 = .true. を指定しておく必要がある。
  • Taylor 展開 (5) の次数を指定する引数も必要
  • linear-bend も ANGLE_DATA で対応する

(linear-bend は angle が 180 度の場合に対応しており、振動の自由度が通常の angle と比べて1つ増えたものとなっている。 このため、座標としては2つ用意する必要があるが、結合角方向のポテンシャルだけで振動自体は表現できるため、ANGLE_DATA で linear-bend を実装する。 )

  • Taylor 展開 (5) に置き換えたものを実装するかもしれない。

DIHEDRAL_DATA

サイト1の番号 サイト2の番号 サイト3の番号 サイト4の番号 ポテンシャルの種類(keyword) パラメータのセット
・サイト1の番号,サイト2の番号,サイト3の番号,サイト4の番号: SITE_DATA で記述した通し番号
・ポテンシャルの種類 = (TAYLOR)、HARMONIC、(COS)、COS_SERIES1、COS_SERIES2、COS_SERIES3、CONSTRAINT
・パラメータのセット = (TAYLOR: 平衡二面角、バネ定数)
                HARMONIC: バネ定数、平衡二面角
                COS_SERIES1: 振幅1、位相角1
                COS_SERIES2: 振幅1、位相角1、振幅2、位相角2
                COS_SERIES3: 振幅1、位相角1、振幅2、位相角2、振幅3、位相角3
                COS_SE3_AMBER: 振幅1 A 1、位相角1 φ1、振幅2 A 2、位相角2 φ2、振幅3 A 3、位相角3 φ3
                COS_DLPOLY: 振幅、ポテンシャルミニマムの数、位相角
                CONSTRAINT: 平衡二面角

[注意] TAYLOR, COS は、まだサポートされていない。

  • 振幅の単位はkcal/mol、角度の単位はdegree。
  • サイト番号の順番は 1-2-3-4 or 4-3-2-1 を同じ情報として扱う。番号の順番によって二面角の符号が異なるので注意。
Dihedral.png
  • DIHEDRAL_DATA のサイト番号を用いて、1-4と4-1のペアの結合状態 (pairtype) を作成する。

ポテンシャル

HARMONIC:

 

 

 

 

(6)

TAYLOR:

 

 

 

 

(7)

COS_DLPOLY:

 

 

 

 

(8)

COS_SE3_AMBER:

 

 

 

 

(9)

  • [注意] HARMONIC では、 BIASMK4 による同名のバイアスポテンシャルを用いて実装されている。したがって、HARMONICを用いる際には、FreeFlexの入力ファイル中のネームリスト &biasmk4 で、calculate_biasmk4 = .true. を指定しておく必要がある。
  • Taylor 展開 (7) の次数を指定する引数も必要
  • 文献では他にも異なるポテンシャル関数の式があるため、実装する際には定義に注意すること(定数項がある、cos の前の符号、位相の前の符号 etc.)

OUTOFPLANE_DATA

サイト1の番号 サイト2の番号 サイト3の番号 サイト4の番号 ポテンシャルの種類(keyword) パラメータのセット
・サイト1の番号,サイト2の番号,サイト3の番号,サイト4の番号: SITE_DATA で記述した通し番号
・ポテンシャルの種類 = (TAYLOR)、HARMONIC、CONSTRAINT
・パラメータのセット = (TAYLOR: 平衡面外角、バネ定数)
                HARMONIC: バネ定数c、平衡面外角 χeq
                CONSTRAINT: 平衡面外角
 [注意]  TAYLORは、サポートされていない。
  • サイト番号の順番は 1-2-3-4 or 1-2-4-3 or 3-2-1-4 or 3-2-4-1 or 4-2-1-3 or 4-2-3-1 を同じ情報として扱う。番号の順番によってポテンシャルの定義が異なるので注意。

1,2,3,4の順番での面外角 (wagging angle) は、以下の図の定義に従う。

Oop.png

ポテンシャル

HARMONIC:

 

 

 

 

(10)

TAYLOR:

 

 

 

 

(11)

  • [注意] HARMONIC では、 BIASMK4 による同名のバイアスポテンシャルを用いて実装されている。したがって、HARMONICを用いる際には、FreeFlexの入力ファイル中のネームリスト &biasmk4 で、calculate_biasmk4 = .true. を指定しておく必要がある。
  • Taylor 展開 (11) の次数を指定する引数も必要

ANGLE_COM_DATA

重心1の番号 重心2の番号 重心3の番号 ポテンシャルの種類(keyword) パラメータのセット
・重心1の番号,重心2の番号,重心3の番号: SITE_DATA で記述したグループ番号
・ポテンシャルの種類 = ANGLE_DATAに同じ
・パラメータのセット = ANGLE_DATAに同じ
  • 分子内で部分的に重心を定義し、これらのなす角にポテンシャル/拘束をかける際に用いる。
  • 重心番号の順番は 1-2-3 or 3-2-1 を同じ情報として扱う。どちらか一方を指定すればよい。
  • ここで指定した情報はペアの結合状態 (pairtype) に影響しない。

PAIRTYPE_DATA

サイト1の番号 サイト2の番号 pairtypeパラメータ
・サイト1の番号,サイト2の番号: SITE_DATA で記述した通し番号
・pairtypeパラメータ = 同じ番号(1-1)      -1
                       分子内1-i(i>=5)     0
                       異なる分子間ペア    0
                       1-2                 1
                       1-3                10
                       1-4               100
  • PAIRTYPE は、上の BOND_DATA, ANGLE_DATA, DIHEDRAL_DATA では両端のサイトペアに自動的に設定されるため、あらわに与える必要はない。

 BOND_DATAでサイト1とサイト2 を指定すると 1-2 の pairtype は 1、ANGLE_DATA で サイト1-2-3 を指定すると 1-3 のpairtype は 10、DIHEDRAL_DATA でサイト 1-2-3-4 を指定すると 1-4 の pairtype は 100 に自動的に設定される。 BOND_DATA, ANGLE_DATA, DIHEDRAL_DATA の両端でないサイトのペアに対して、PAIRTYPE_DATA で結合状態 (pairtype) を指定することができる。

  • サイト番号のペアは順番を問わない。1-2 と 2-1 は同じ情報として扱われる。
  • 多サイト分子のmsファイル内で、分子内サイト間でLennard-Jonesやクーロン相互作用を計算しない場合には、PAIRTYPEを1か10としておくのが良い。

その他備考

  • linear-bend は ANGLE_DATA で実装する
  • 分子内の 1-2,1-3,1-4 ペアなどの区別の仕方

system_struct の配列変数 pairtype(1:nsite,1:nsite)を用いて以下のように区別する。

ペア           pairtype
同じ番号(1-1)      -1
分子内1-i(i>=5)    0
異なる分子間ペア     0
1-2               1
1-3               10
1-4               100
  • version>=0.3 の BOND_DATA などで用いるポテンシャルは、2016/10/5現在の時点ではbiasmk4によって実装する方針である。

cf. biasmk4_system_struct #Available bias type