ComplexRI

提供: ComplexRI: Manual
2021年11月29日 (月) 17:23時点におけるKamimura (トーク | 投稿記録)による版
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概要

本ComplexRIは全反射実験から得られた反射率あるいは吸光度のデータをもとにして媒質の複素屈折率の分散を出力するWebアプリケーションである。 1⃣実験の結果、 2⃣ファイル形式に関する入力、 3⃣実験の条件、 4⃣解析に関する条件 という四つの情報を入力として与えると、解析が行える。


チュートリアル

チュートリアルでは4種類全10個の入力について、実際に解析を行い、その結果をもとに説明する。
目次(チュートリアル)
チュートリアル01:ファイルを入れて解析する(入力1⃣を与える練習)
チュートリアル02:解析に関する条件を指定する(入力4⃣を与える練習)
チュートリアル03:ファイルの形式を変える(入力2⃣を与える練習)
チュートリアル04:実験条件を正しく与える(入力3⃣を与える練習)

マニュアル

目次(マニュアル)
入力01:タイトル
入力02:ファイル
入力03:反射率か吸光度か?
入力04:波数範囲
入力05:データの列の指定
入力06:昇順か降順か?
入力07:実験で用いた基質の種類
入力08:入射角
入力09:吸収がないときの屈折率
入力10:残差の指定
入力11:フィッティング関数のパラメータの設定の有無

内部処理

目次(内部処理)
説明01:フィッティング方法

詳細

目次(詳細)
詳細01:ローレンツ関数を使う理由
詳細02:p波とs波の平均値で与えられる理由

詳細01:ローレンツ関数を使う理由
これには2つ理由がある。
1つはローレンツ関数がクラマースクロニッヒの関係を満たすことだ。
屈折率の実部と虚部がクラマースクロニッヒの関係を満たすことからフィッティング関数にもこのような性質が要求される。
この関係式は以下のようなものである。導出は複素積分を使う数学的なものなので導出等は省略する。詳細は参考文献[1]を参照してほしい。[1]
これが1つ目の理由である。
2つ目の理由は配向分極の振動電場に対する応答がデバイ型緩和によってよく表せることが背景になっている。ここでは、導出は省略して最終的に導かれる式のみを示す。詳細は参考文献[2][2]を参照してほしい。
デバイ型緩和の考え方に基づくとは以降分極による誘電率は以下のように表せる。
ここで、:定常電場の比誘電率、:高周波極限の比誘電率であり、
(:原子間の結合の振動に関する感受率 :回転に関する感受率)
と表される。
このことからは以降分極による誘電率はローレンツ関数で近似的に表されることがわかる。
さらに、誘電率と屈折率の間には
という関係があるから、屈折率もローレンツ関数で表しやすいと考えられる。
以上の2つの理由からフィッティング関数としてローレンツ関数を用いている。

詳細02:p波とs波の平均値で与えられる理由
光をp波とs波に分けてそれぞれ強度の比がしたようになっているとする。
右辺のが入射光。左辺のは反射光である。
辺々を足すと
(∵右辺の入射光は自然光で)
ゆえに、光強度反射率はp波とs波の平均で与えられる。


参考文献

<references> [1] [2]

  1. 1.0 1.1 小林浩一:光物性入門
  2. 2.0 2.1 遠藤雅守:電磁場の物理学ーその発生・伝搬・吸収・増幅・共振を電磁気学で理解するー
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